先日、友人からこんな質問をもらいました。

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「そもそも何で激増したんですかね?」

確かに…!笑 なんとなーく「こうじゃね?」って言える知識は一応あるものの、事実とか根拠をもとにこうだ!って言えるほどの理解はしてなかったので、この機にちゃんと調べてみようといろいろ環境省とかのHP見つつガチで調べてみました。ちょい長くなってしまった…。読了10分くらいです。

鹿、猪って現状どんな感じなの?

という声も聞こえてきそうなので、環境省のHPに載っている情報引っ張ってきました。

・改正鳥獣法に基づく指定管理鳥獣捕獲等事業の推進に向けた全国のニホンジカの密度分布図の作成について(お知らせ)

・(お知らせ)改正鳥獣法に基づく指定管理鳥獣捕獲等事業の推進に向けたニホンジカ及びイノシシの生息状況等緊急調査事業の結果について

リンクしておくので気になる方は見てみてね、って感じですが、個人的にここはポイントだろうな〜〜って思うところを以下、抜粋します。

<現状の生息数について>

平成24(2012)年度末の全国(北海道を除く※)のニホンジカの個体数は中央値約249万頭(90%信用区間約188万~358万頭)、イノシシの個体数は中央値約89万頭(90%信用区間約65万~126万頭)と推定されました。

・鹿=249万頭
・猪=89万頭

ってことですね。


<昔と比較するとどうなの?>

ニホンジカは昭和53年度から平成26年度までの36年間で約2.5倍、平成23年度から26年度の3年間では約1.2倍に拡大し、イノシシは昭和53年度から平成26年度までに約1.7倍に拡大していることが明らかになりました。

・【鹿】の個体数の推移のグラフ
鹿 推移

・【猪】の個体数の推移のグラフ
猪 推移

環境省と農林水産省は「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」(平成25年12月)を共同で取りまとめ、「ニホンジカ、イノシシの個体数を10年後(平成35年度)までに半減」することを当面の捕獲目標としました。

なんと半分にするらしいです。結構すごいこと言ってるよ。うひょー。

まあ細かい説明は省くけど、グラフについては「中央値」ってのを見てほしいっす。「昔より増えてるな〜」って思ってくれれば、このグラフはお役御免ですw


<このまま行くとどうなるの?>

「このまま」の前提なんですが、日本全国に185,000人の猟師がいるんだけど、捕獲ペースとしては超絶スーパー遅くって、今のペースを維持すると、7年後の2023年には、「402万頭」に鹿が増えるらしい。猪もまた然り。さっき半分にしたいって言ってたのにね。


まあざっとこんなところでしょう。なんとな〜く現状についてはわかってもらったと思います。

上にいろいろと書きましたが、「めっちゃ増えたんよ」っていうのだけわかってもらえれば問題ないかとw

ようやく本題!そもそもなんで増えたのか?

調べれば調べるほど、いろいろ出てくる…なんかめんどくなってきたけど、せっかくだから、書けるだけ書く!あとは気になったら聞いてくれれば都度調べる!!

◆天敵の消滅

鹿、猪の天敵は、従来「オオカミ」と「人間」だったみたいっすね。まあオオカミって生体ピラミッドの頂点にいるやつだし、人間も昔は狩猟ってことで食べる肉もそうだし皮も活用されていた。

特に江戸時代あたりは火縄銃だったけど、明治時代以降はもっと性能の良い洋式銃が取り入れられて、乱獲されて数激減したみたい。あまりに減っちゃったから、戦後、メスジカの狩猟全面禁止をしていたっていうことはありましたとさ。

*歴史苦手な人向けに年表貼っておきますね☆

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まあそういうわけで、当時は狩る奴らがいたってことでバランス取れてたんだろうね。

このバランスが崩壊したのは戦後です、間違いなく。前に狩猟サミットに参加してた時に登壇していたゲストの話の中で、「戦前までは縄文時代のような食文化が続いてた」って話を聞きました。

いろいろあった中の話の一部だけど、牛や豚より、鹿や猪が食べられていた。サルも食べていたって記録が残っているらしい。これは聞いただけの話なので、近いうちまた調べたいところ。

でも、戦後からは豚とか牛の方に肉の需要がシフトしていって、そんなに狩りしたりとかなくなった。捕食者が完全にいなくなるっていう、鹿・猪にとって生き残るって意味でイージモードな環境が完全に誕生したのは、「戦後」っつーわけです。

◆地球温暖化→雪が積もらない→冬場でも餌が食える

最近、雪降る量が少ないっすよね。京都美山あたりは冬とか2mくらい積もるって聞いたんだけど、今年は雪が全然ないって声も一時期あったくらいです。

ある程度の量の雪が降ると、地面が完全に雪に覆われるわけですが、そうなると草食の鹿とか、ミミズとかどんぐり食べてる猪もかな?彼らの餌にフタがされるって感じになります。

そうなるとなかなか餌を得ることができず、春になると餓死して死んでいる個体がいることもしばしば。数年に一度は大雪が降って、かなりの数の餓死する個体がいる時期があるみたいです。「大量死(クラッシュ)」って言うみたいですが、1984年以降、いわゆる「大雪」っていうのが降ってないそうですね。温暖化やばいっていうけどどうやら一部の生物にとってみれば優しい現象のようです。

そういう意味では、今は本来大雪が降ったら死んでしまうような弱い個体でも、生き延びやすい環境になってるでしょうね。

◆ハンターの減少

上述した話に若干被るけれど、猟師が昔に比べればだいぶ数は減っているのが現状です。昭和50年には、51万人いた猟師も、平成25年には185,000人ほど。

年齢別狩猟免許取得者数の推移グラフがあったから見てみた。2013年のデータでちょっと古いけど、2013年は全体の66.4%が60歳以上で、39歳以下の若手猟師は1万5000人ばかりであり、なんと全体の8%です。20代の猟師とか2%だよ、まじかよ。パンダも「笹食ってる場合じゃねえ!」って言って走りだすレベル。

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そんな猟師激減の流れをなんとかすべく一つの施策として、猟友会のHPに『狩りガール』ってコンテンツがある。東京で普通のOLやってた普通の女性が「狩猟やろう!」って思ってから、実際に猟に出るまでの流れとかを漫画化してるのがある。

でも実際「狩りガールなんて見たことねえよ」って意見の方が多そうですね。こんな記載がありました。

日本の狩猟者(狩猟免状の交付を受けた者)は、環境省によれば2009(平成21)年度では約18万6000人。そのうち女性は1539人と、全体の1%に満たないのが現状です。

そりゃ女性で、且つ20代で狩猟免許持って狩ってる人とか、激レアです。そういう人は個人的にはマジで話したいですね。何がきっかけで狩猟したいと思ったのか、考え方含めていろいろ話聞いてみたい。

◆鹿と猪は単純に繁殖力が高い。猪に至っては生命力も相当なもの。

「繁殖力」っていうのは生物の繁栄にとってめちゃくちゃ大事な要因のひとつです。皆さんご存知のアブラムシっているじゃないですか?彼らは天敵から身を守る術もなければ、動きも超絶スローです。それでも生き残ってます。

その理由は圧倒的繁殖力で、時期によるけれど、「卵から生まれるアブラムシは全てメスになる」「4〜7日で成長になる」「卵ではなく幼虫を産む」「その幼虫のお腹には既に次の子どもがセットされてる☆」みたいな無限マトリョーシカみたいな戦略で子孫繁栄してます。何が言いたいかっていうと、種にとって繁殖力も子孫繁栄って大事な要因のひとつですよってこと。

で、鹿はどうなのよって言うと、3歳からほぼ毎年10年間、子ども生み続けます。考えてみれば超繁殖力高いですよ、これ。鹿の生息数がこれで毎年たったの1年で、2割増加するって言われてますからね。

猪も「多産」という性質に加えて「生命力」も超高い。

  • 走力は時速40km、車と同じくらい。
  • 体重80kg〜190kg(岐阜市で約220kgもの雄個体が捕獲されたこともある)
  • 長さ15cm余りある2本の牙を武器に備える、これで死ぬ人もいる。
  • 知能、学習能力が高い。犬と同等かそれ以上だと言われている
  • 多産で、2~8頭くらい産む。
  • なんでも食べる雑食。鼻が効くからご飯はちゃんとゲットできる。
  • 車に轢かれても、何事もなかったかのように走り去るくらい体が丈夫

なにこのチートな感じ。強い、丈夫、いっぱい産む、食べ物は何でもおっけーで超頭よいとかなんなんだよ、そりゃ生き残るわ。

◆凍結防止剤が、奴らの貴重なミネラルになっている

冬場、餌がない時期はつまるところ雪が降る。この雪ってのは人間にとってめちゃくちゃ邪魔ですよね。この前東京で雪が降った時は電車止まりまくって、寒いし会社いけないしほんと大変でした。

まああとは路面凍結が怖いから、「凍結防止剤」なるものをバラ撒くよね。その成分は「塩化ナトリウム」、つまり【塩】です。

鹿は、食べ物を消化吸収する際に塩分が不可欠です。動物園とかだと、餌と一緒に塩も与えています。

普段は岩とかから摂取するけれど、雪に覆われるし、塩分摂取が難しくなる。そこで、道路に撒かれる塩を食って、貴重な栄養源として摂取していたわけです。動物にとって塩って貴重ですからね、冬に道路舐めてる鹿とか見かけたら、「ああ、塩分補給してるんだな」って思ってください。

まとめ

なんかいろいろな理由が複合的に絡んで、今の状況が生まれてしまっているのは間違いないでしょう。こんだけ調べておいてあれですが、専門家によると、「正解はわからない」らしいです。地域によっても状況が違うし、調べているものの諸説あるみたいです。

これ調べるために、いろんな情報かき集めて考えてみた、ぼく個人としての意見は「もともと最強の捕食者であった人間の生活スタイルが戦後から大きく変わって、繁殖力の強い彼らを食べなくなったから」っていうのが一番大きいんじゃないかと思います。

だって奴らはガンガン増えるけど、それ減らすやついないだもん。食べないし毛皮もそう使おうとしなくなった。結果獲らない、そりゃあ増えるでしょうよ。人間という天敵もいないし、車とぶつかるみたいな起きる交通事故を除けば、最高に育児しやすいと思うわけですよ。

余談

「個体数が翌年こうなります!」ってどうやって算出してるんだろう〜ってずっと疑問だったんだけど、以下みたいな式があるみたいね。

生息個体数(翌年)=生息個体数(ある年)×自然増加率※-捕獲数
※自然増加率は、既知の知見から範囲(今回は1.04~1.36 )を与えて、その中で妥当な数値を 探索した(2010年度の中央値は1.21となった)。

こういう数式、めっちゃおもしろいw 思ったのは紐解いてみると、式自体は意外とシンプルなんだな〜って思った、という個人的感想です!

このへんの調査方法ってあまり知らないし、単純にめちゃ興味ある。あんだけ動きまわってる鹿の数、どうやって出してんのよ!みたいな。まあ気になるし、まだ今度調べてみようかしらね。

いろいろ調べましたが、まだまだわからないことだらけ&理解力不足なこと多すぎるので、引き続き気になることは勉強がてらガンガンまとめていきますよ〜!!